池田 信夫
国会はきょう安保法案の採決が特別委員会で行なわれる予定で、一つの区切りをむかえます。これに対して野党3党は委員会を欠席する方針で、「強行採決には応じない」と反発していますが、強行採決って何でしょうか?
よい子のみなさんが学級会で昼休みにドッジボールをするかサッカーをするか話し合ったら、サッカーのほうが多かったとしましょう。このときドッジボールをやりたい子が「ぼくらが納得しないのに採決するのは強行採決だ」といって教室を出ていっても、結果は同じことです。
もちろん多数決だけが民主主義ではありません。徹底的に話し合って、少数派の考えにもいいところがあれば取り入れればいいのですが、全員が納得するまで話し合っていると何も決まりません。そういうときは時間を区切って採決するのが民主主義のルールです。少数派が欠席したら採決しないと「少数決」になってしまいます。
だから普通のマスコミは強行採決とは書かないで、単独採決と書きます。野党が欠席しても定足数があれば採決できるので、何も「強行」する必要はないからです。議員が委員長席でつかみかかったりしているのは、民主主義のない発展途上国によくある風景で、情けないですね。
野党が安保法案を否決したければ、選挙で勝てばいいのです。今回の法案については、去年の閣議決定のあと、安倍首相が解散・総選挙をし、自民・公明の与党が2/3以上になりました。つまり圧倒的多数の国民が、与党の方針に賛成したわけです。
参議院でも与党が過半数なので可決されますが、可決されなくても60日たてば衆議院で2/3以上あれば再可決できるので、法案は成立します。だから国会のまわりでデモしても、憲法学者が反対しても、採決には関係ありません。
野党のみなさんも、いつまでも「何でも反対」の子どもみたいなことをいってないで、ちゃんと採決に参加してほしいものです。負けてくやしかったら、選挙で政権をとればいいのです。
http://agora-web.jp/archives/1648411.html
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